2020年東京証券取引所のIPO動向からみる監査人のなりてである監査法人とIPOとは何かということについて

2020年の東証IPO動向

2020年東証の第一部に7社、第二部に9社、マザーズに63社、ジャスダックに15社という計94社が東証でIPOすることになりました。(投稿日現在、予定通りの上場がなされることを仮定としています。)

(日本取引所グループのHP情報を基に筆者が集計しました。他の取引所は対象外となっています。)

2019年は、82社であったことから、新型コロナウイルス感染症という環境においても、より好調という結果になりました。大型上場となるK社のIPOは中止が報道され注目されることとなりましたが、2018年以前より上場準備を粛々と行い、予定通り上場した会社も多かったことがわかります。

ここでは、東証第一部の7社に絞ると、設立から上場まで4年~70年というばらつきがありますが、設立から上場までが短期間でも、上場審査基準の形式要件が厳しい第一部でも要件を満たすことは可能であることを体現している企業があります。

IPOに関する会計監査を引き受ける監査法人がいないといわれている状況でありますが、下記の表からは、規模分類でいわれるところの大手、準大手、中小監査法人がバランスよく引き受けられている状況があります。

IPOとは?

Initial Public Offeringの略であり、そのまま和訳すると「最初の公開募集」です。エクイティファイナンスという資金調達が容易に行うことができるようになります。

エクイティファイナンスと異なるものとして、デットファイナンスがあり、それは貸借対照表上の負債となるものです。デットファイナンスは、銀行からの借入や社債の発行などがあり、利子を支払う必要があり、元本は返済・償還する必要があります。

一方、エクイティファイナンスは、貸借対照表上の純資産の部に計上されるものです。元本の返済義務はなく、また、配当についても必ず行わなければならないものではなく、その分成長するための投資に充てることが可能です。

IPOの資金調達以外の効果

会社によって、IPOのメリットとデメリットのレベルに差がでるものと思われますが、次のような効果が一例として挙げられます。

信用度のアップ

社外役員の登用や継続的な企業内容の開示など上場企業が要求されている事項を満たすことにより、経営・財務状況の透明度があがり、信用度がアップします。

管理体制の拡充

上場企業になるにあたり、残業の未払いを解消することが必要となることを代表例として、法令順守の程度があがります。その結果、会社の継続的な事業活動を阻害する要因を見直す機会が増えます。

コストの増加

デットファイナンスのように利子がない代わりに、取引所・印刷会社等への手数料、監査法人に対する報酬等の定期的なコストなどが増加することになります。

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