粉飾と売上債権回転期間を簡単に説明してみた

ご無沙汰しております。久々の更新です。

本日は、売上債権回転期間について、簡単に書いてみたいと思います。

売上債権回転期間は、こちらの記事でも取り上げましたので、参照ください。

タイトルには「粉飾」は、一言で「利益を実態よりも大きく誤魔化すこと」といえると思いますが、様々な方法があります。

今回は、架空売上を計上し、

(借方)売掛金  ××× / (貸方)売上  ×××

という仕訳を計上した場合のお話になります。

売上を計上すると、上記の仕訳のように、貸借対照表の資産部に表示される「売掛金」が計上されます。

次は、「売掛金」が減少する場合のことを考えると、現金や預金で債権を回収したとき、得意先が倒産したとき等に減少します。

たとえば、前者は、

(借方)現預金  ××× / (貸方)売掛金  ×××

後者は、

(借方) 貸倒損失 ××× / (貸方)売掛金  ×××

という仕訳を計上することになります。

何を言いたいかといえば、貸借対照表の売掛金は、これから回収される売掛金ということになります。ここでは蛇足っぽくなりますが、決算日から決算を開示するまでの間に得意先が倒産した場合、貸倒損失ではなく、貸倒引当金を計上することになります。なぜなら、会計期間の間に得意先が倒産したわけではないので。そのため、売掛金に貸倒引当金を考慮するかというポイントもあります。

粉飾と売上債権回転期間について考えてみたいですが、架空売上を計上した会社の財務諸表から売上債権回転期間を算出し、推移をみると、どんどんのびている(例えば、3→3.2 → …→6か月等)という特徴があるケースがあります。

取引条件が3か月で回収されるようなビジネスモデルにもかかわらず、売上債権回転期間がどんどん伸びているなんて場合は、あやしいです。あやしいと思う立場によって行動は異なるかと思いますが、特に注意する必要があります。

「なんで売上債権回転期間がのびているんだ」ということにとことん納得する必要があります。

「このビジネス環境じゃ仕方ないね」だけで思える場合もあれば、「がちがちのエビデンスが欲しい」なんて場合もあるんじゃないんでしょうか。

大口得意先の取引条件を2か月から4か月に変更した場合は、売上債権回転期間を大きく影響を受ける要因になります。それだけでは上記の例の場合では6か月にはならないと思いますので、他にも何かあるはずです。

売上債権回転期間が大きく変化している場合は、何か特別な事情があることを念頭に財務諸表を見てください。

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