財務諸表の見方-何を見るか、まずはこれ!-

最近の潮流では、非財務情報に重きを置こうというものがあるので、いまさら感もある記事となりますが、なんといっても財務情報は非常に重要であります。

経営指標の分類として、収益性安全性成長性生産性等とあります。

利益率=利益÷売上

と計算すれば、「利益率の高い会社(事業)をしているなー、技術力があるのかな?それとも営業力?」と仮説を立てて、ネット情報やヒアリング情報などから検証していけば、会社のことがわかっていくかもしれません。

ということで、今回は、初見で財務諸表をみて、何を考えればよいのかという糸口のヒントとなるような記事にしたいと思います

まずは、財務諸表とは何でしょうか?

・貸借対照表

・損益計算書

・株主資本等計算書

・キャッシュ・フロー計算書

のことをいいます。

厳密な定義のほうがわかりやすいかもしれませんが、私の言葉で説明すると、それぞれ下記の通りです。

貸借対照表は、決算日のときの資産、負債、資本の金額

損益計算書は、前決算書から現決算日の間の収益と費用を集計したもの

株主資本等変動計算書は、前決算書から現決算日の間の資本の動き

キャッシュ・フロー計算書は、前決算書から現決算日の間のお金の動き

貸借対照表では、まず、固定資産を持っているのか持っていないのかをみてみましょう。固定資産計上せずに月々の支払いしたときの費用にしているような処理をしていたら、わかりにくくなりますが、設備が必要な事業をしているのか、それとも必要ではないのか仮説を立てられます。固定資産がなければ、例えば、コンサルティングのような無形の力で事業をしているのではとも考えられます。

次は、流動資産と流動負債をみてみましょう。会社が一月後も半年後も一年後も存在するためには、キャッシュがショート(足りない)しないようにしなければならないのです。流動資産>流動負債という状況であれば、キャッシュがショートする心配の必要はない、流動資産<流動負債という状況だったら、勘定科目までみて、来月のお支払いは大丈夫ですか?という心配をしなければならないのかもしれません。

最後は、借入金額を見てみましょう。借入金額は一般的に事業から稼げる利益の20年分以内が限度といわれています。そのようなものさしからみても借入金が大きかったら、事業自体が苦しいかもしれません。

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損益計算書にいってみましょう。

なんといっても売上。もし、市場規模が○○百億円とわかっていたら、その会社の市場のシェア率がわかるのです(わからないことのほうが多いと思いますが…)。そのようなシェアなんか気にしなくても、事業の規模から、事業の種類も併せて、人員や拠点数などの仮説が立てられるのです。筆者は、昔、上場している会社の有価証券報告書からあのブランドのお店は、一店舗当たり平均2千万円ぐらいなのかーとか思いながら研究していました。ただ、仮説たてるにもある程度相場というものをしらないといけないかもしれませんね。

売上原価や販管費からは、人件費や家賃なのかなと思います。平均500万円ぐらいだったら、100人ぐらいいらっしゃるなーとか思えるわけです。損益分岐点と計算してもいいのですが、今回は初見でパッとみてということを前提とさせてもらえたらと思います。


では、株主資本等計算書にいってみましょう。

上場企業でもない限り、動きがあることがないと思うのですが、前の貸借対照表と現在の貸借対照表の資本の部の増減明細ですので、念のため、動きがあるのかないのかパッとみましょう。あるとしたら、配当か資金調達だと思いますので、誰がいくら配当をもらっているのかなぜ資金調達したのかと財務諸表を見る側としては興味のある事項です。なお、もちろん配当か資金調達以外の動きもあります、例えば、ストックオプションにかかるものだとか。。業績変動型報酬か退職金に代わるものを導入しているんだなと考えられます。


最後は、キャッシュ・フロー計算書にいってみましょう。

キャッシュ・フロー計算書は、前期と当期の貸借対照表上の現預金の動きを、ある視点から集計したものです。その視点というのが、営業活動、財務活動、投資活動です。

営業活動は、販売、購買、人件費、その他の経費と分類できますが、実務上、この分類での作成方法は、上場企業でも事務負担が大きいとされていますので、簡便的な作成がされています。ですので、営業活動をみるときは、基本的に合計値だけでいいと思いますが、その中で、無駄な棚卸資産が少ないな、取引状況が有利だから、キャッシュ・フローが良好だなーという見方もできます。ただ、合計値なので、あまり有意義でもないかもしれません。

財務活動は、資金調達活動ですので、借入をしたのか返済のみをし続けたのか等と確認できます。

投資活動について、企業は、設備投資、研究投資にかかわらず、投資が必要ですが、このキャッシュ・フロー計算書の投資活動は設備投資のみであり、研究投資は営業活動に含まれていますので、少し念頭に置いて考えるべきだとも思います。設備は陳腐化や劣化していくということもあり、設備投資は減価償却費を基準にして多いのか少ないのかという見方ができます。


以上、網羅性に欠ける、筆者ならではの財務諸表の見方をお伝えさせていただきました。(^^)

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