入金伝票って、赤色と色が決まっているものですよね?
出金伝票は青、振替伝票は緑というイメージはあるね。
簿記検定の学習していたころ、このあたりの帳簿組織という分野に苦手意識があったんだけど、実務をイメージできなかったからなんだとわかるようになったよ。
目次
入金伝票、出金伝票、振替伝票は必要なのか?
簿記を学習しているうえで、なぜ入金伝票、出金伝票、振替伝票(以下、「伝票等」)は必要なのか疑問に思うことないですか?ほとんど仕訳じゃないか、仕訳帳に直接書けばいいじゃないかと思うことがあると思います。
会社の業務フローによって必要な場合が今もあるでしょうし、業務のIT化によってもはや不要ということも様々な事情があると思います。今回は、伝票等がなぜ必要なのかを取り上げてみることにします。
※ここでいう伝票等は主に紙のものをさしています。
決算書は膨大な取引の積み重ね!
帳簿の名称で「決算書は膨大な取引の積み重ね」ということをいうと、
決算書→試算表→総勘定元帳→仕訳帳
ということができるかと思います。
(決算書と試算表の間は精算表といわれることもありますが、筆者はいまのところ実務上は精算表をみたことありません)
仕訳帳がどのようにできているかというと、会計システムに仕訳を入力されることでできますよね。
記帳する係の人がいるわけです。
一方、取引を行う人がいるわけです。
文房具を買うぐらいなら記帳する人がすることがあると思いますが、取引先の売掛金を現金で回収することはさすがに(たぶん)ないはずです。
その回収した人が、記帳してくださいという意味で入金伝票を記帳する人に提出します。
入金伝票をみると、日付、担当者(取引実行者)、承認(取引自体の承認:担当部署の部長等)があると思います。入金伝票を、別の言い方をすると、「報告書」という見方もできます。その「報告書」には添付する資料もあります。
そう、入金伝票は、取引担当者から経理向けの報告書というイメージでよいかと思います。
別に、入金伝票という報告スタイルでなくても、記帳する人に内容が伝われれば、記帳できますよね。でも、取引が大量にあるならば、様式が同一のほうが事務効率は格段にあがります。
また、仮に、記帳する人の横について口頭で伝えながら、記帳することも全く考えられないというわけでもないですが、そのプロセスだと時間が無駄になることも多いでしょうし、税務署等の第三者が来たとき、仕訳のエビデンスがでてこないと、つらい状況になることは想像に難くありません。
整理すると、伝票等は、記帳担当者からみると、会計システムへ入力するための材料、税務署等の第三者からみると、仕訳帳に記載している取引の証拠です。
そのように考えると、担当者や承認者等の峻別が特段必要なければ、伝票等は必要なく、伝票等を記載するためのレシートや受領書(上記売掛金の入金という例であれば、受領書の控えと現金そのものになるでしょうか)から会計システムへ入力してもよいわけです。
特に、振替伝票については、簿記検定でも問題として出題されていた記憶がありますが、減価償却費の計上が代表例になるかと思います。記帳担当者が、振替伝票を作成せずに、会計システムへ入力することもある(私も固定資産台帳から直接入力するケースもありますが)と思いますが、本当に資料としてきちんとするなら、仕訳が記載ある振替伝票の証拠資料として固定資産台帳を添付するということが考えられます。経理で承認者が複数いるなら、おそらくこの方法が望ましいプロセスととられることもあるかと思います。
繰り返しになりますが、伝票等は、担当者の峻別等必要なく、別のもので入力の材料としてわかるよう補完できるならば、伝票等の作成は省いてもよいです。
まとめ
入金伝票、出金伝票、振替伝票は、経理(記帳担当者)向けの報告書というイメージでお願いします!