有価証券報告書ってなんだろう?

定義

有価証券報告書は、1事業年度ごとに、上場会社等が一定の様式で企業内容を開示しているもので、金融商品取引法上の開示制度のうち継続開示制度のうちのひとつであり、有価証券の円滑な流通や金融商品等の公正な価格形成による経済の健全な発展や投資者の保護を目的としています。また、上場企業は、四半期ごとに、有価証券報告書より簡素な情報を、四半期報告書というかたちで開示することになっています。

作成しなければならない場合と閲覧できるサイト

提出する義務がある企業は、次に該当する場合となっています。

  • 金融商品取引所に上場されている有価証券の発行
  • 店頭売買有価証券の発行
  • 募集又は売り出しにつき有価証券届出書又は発行登録補書類を提出した有価証券の発行
  • 株券等で、事業年度に関する一定の条件に該当し、その所有者が1,000名以上であるもの

ひとつめは、上場企業のことですし、広くエクイティファイナンスをしている会社が有価証券報告書を作成、開示する義務があるというイメージでいいのではないでしょうか。

EDINETとよばれる金融庁が運営しているサイトや各々の企業のコーポレートサイトで、閲覧することができるので、見たことがない方や興味がある方は是非ご覧になってください。

有価証券報告書でわかることは?

有価証券報告書をみることで、財務数値を中心に、どのような事業をしているのか、企業がどのようにグループをなしているのか、従業員はどれくらいいるのか、設備の概要、現在株主はどのような状況なのか、会社の機関はどのようになっており誰が担っているのか等がわかります。

私がはじめて有価証券報告書をみたのは大学時代であり、当時は財務諸表しかみていなかったかもしれませんが、慣れることにより、コーポレート・ガバナンスの状況をみて、役員の経歴や保有株式数を把握し配当政策と合わせて合計でどれぐらいの収入を得ているのか、監査法人に対する費用、大株主は誰なのか等という見方もするようになってきました。

現在不幸にもコロナ禍という環境ですが、事業等のリスクをみることにより、企業の業績に与えるマクロ環境を、企業がどのように捉え、外部に説明するのかということがわかるかと思います。この点、SWOT分析やPEST分析等に興味がある方にはすごく参考になるものだと思っています。

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おわりに

最後になりますが、どの有価証券報告書をみても、同じ目次・構成となっており、下記のようなものとなっています。

企業の概況1 主要な経営指標等の推移 2 沿革 3 事業の内容 4 関係会社の状況 5 従業員の状況
事業の概況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 2 事業等のリスク 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 経営上の重要な契約等 5 研究開発活動
設備の状況1 設備投資等の概要 2 主要な設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画
提出会社の状況1 株式等の状況 2 自己株式の取得等の状況 3 配当政策 4 コーポレート・ガバナンスの状況等
経理の状況1 連結財務諸表等 2 財務諸表等

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